伊藤トモの俗・実験室

頑張ってる左手

週間偽クイズ(23/08/01)

Q.ヨーロッパでは古くから不吉の象徴とされ、14世紀に暗躍した数秘教団や16世紀に各地を荒らした黒月の子などがシンボルマークに取り入れており、ヒラティー・ボレッチ監督の映画『ネバー・ドーン』に/登場する悪役ピカッツィアのモチーフともされているカササギ科の鳥で、イギリスの作家ジェント・クラインロードが黒く美しい見た目を愛しており、小説『鳥葬のB』では鳥であるにも拘らず殺人の実行犯として仕立て上げられるのは何でしょう?

A.オカグロホソクビガラス[Pica nelaccinia]〈蓮川◯〉
[第12回 ながいいちにち杯 2R 4問目]


学生長文を代表する ながいいちにち杯の大会全体の早押し初正解となった問題。学生向けの短文基本大会でもクラインロードや彼の作品を問う問題はこれまでにも多数の出題例がある(以下)が、それ以前の問題文に登場する固有名詞は比較的マイナーなものが多く、映画好きの蓮川がなんとか絞り出しての正解となった。



・息子に初代イギリス石油会議議長を務めたブラントを持つ、『分析のA』に始まる「フェラン・ベルズ」シリーズで知られるイギリスの小説家は誰でしょう? // ジェント・クラインロード[Tanbun Japan 2017]

・元警察官であるが、事件に巻き込まれて失職し裏社会で探偵を行なっている、ジェント・クラインロードの小説シリーズの主人公は誰でしょう? // フェラン・ベルズ[Tanbun Japan 2019]

・偽の新聞記事を巡る連続殺人を描いた、「フェラン・ベルズ」シリーズの第1作にあたるジェント・クラインロードの小説は何でしょう? // 『分析のA[A of Analysis]』[DBDB-Daigaku Beginner Dai Battle- '21]



しかし、「フェラン・ベルズ」シリーズは51作ある(A,B,Cとタイトルが続き、27作目『星座のA』から2周目)ため、個々の作品については短文・基本の大会では出題例は少ない。
だからこそ、長文・難問の大会では恰好の題材となっている。



・映画化された際には、実際に潜水艦を1ヶ月借り切って陸上に戻らず撮影が行なわれたという、潜水艦内の連続殺人事件を描いた、ジェント・クラインロードの「フェラン・ベルズ」シリーズ第47作目のタイトルは何でしょう?//『深海のU[U of Underwater]』[Nannmon Fatal Tambun first]

・団体名は作者がかつて務めていた際に開発していた商品の開発コードである、作中では「クラウディ・レンブラント」や「コックローチ・ドミナンス」といった強盗団と対立しており、主人公が潜入して、この団体からの視点がメインに話が進む、ジェント・クラインロードの「フェラン・ベルズ」シリーズ3作目の作品『冷却のC』に登場する強盗団で、2001年にイギリス南部で発生した連続強盗事件の犯人グループがこの名前を用いたことでも話題になったのは何でしょう?//グレイッシュ・サン[Greish Sun][第7回 鉄問杯]



難問系の大会を目指している人なら、「フェラン・ベルズ」シリーズは一通り抑えておきたいが、しっかりと聞かないと判別が難しいものもあり(『機会のM』と『構造のS』となど)、あらすじを覚えているだけでは自身を持って押せない可能性も高いので注意。